あしあと
僕の前に道はない  僕の後ろに道は出来る
高村光太郎 『道程』より
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
膵島移植
学校に京大の移植免疫の先生が来られて講義をしていただきました。
その内容は、以前話題になった膵島移植の話でした。
多分、あまり皆さん知らない話なので聞いた話を書いてみようと思います(間違っているかも?)。

そもそも膵島移植の目的はいうと1型糖尿病患者さんの治療のために行われます。
糖尿病とは、なんらなの理由で膵臓のランゲルハンス島(膵島)β細胞から分泌されるインスリン(血糖値を下げるホルモン)が欠損、欠乏、機能低下することによって高血糖となり、様々な臓器に悪影響を及ぼす疾患です。
その中でも、1型は小児によく見られ、膵島のβ細胞が破壊され、インスリンの量が絶対的に少なくなる糖尿病でインスリン注射を生涯続けないと生命に危険が及びます(生活習慣病などでいわれている糖尿病は2型になります。)
インスリン注射は、非常にコントロールが難しく、又コントロールが出来ていても早くて5年程で合併症があらわれる場合があるためインスリン注射が1型糖尿病患者さんに対して現在の所最適な治療法とはいえません。

膵島移植までの流れ
 膵臓摘出→膵臓保存→膵島分離→膵島純化→移植
 膵島分離:消化酵素を使って分離
 膵島純化:遠心分離を使って純化

膵島移植
 膵島の移植は、臓器移植と異なり細胞を移植するので移植手術自体は、簡単に行えます。
開腹することなく門脈から点滴で膵島細胞を注入し、肝臓内に膵島細胞を生着させます。手術時間も非常に短時間で終了します。

膵島移植の特徴
 ・低侵襲(開腹することなく短時間で終了)
 ・急性拒絶反応が小さい(細胞移植のため)
 ・再移植も簡単(点滴で行えるため)
 ・膵島細胞のみを移植するため感染源になりにくい。
 ・万が一膵島細胞が機能しなくても、
  自然に吸収され安全。
 ・免疫抑制剤のステロイドを使用しない。
 ・膵島分離施設及び技術、経験が必要
 ステロイド剤を使用しないのは、ステロイドの副作用で血糖を上げる作用が働くため使用しません。そのため、ステロイドの副作用で特に若い人には気にかかる色素沈着や多毛、体重増加などの問題も起こりません。しかし、他の人の細胞を移植するため、免疫抑制剤を生涯服用する必要があります。

ドナー(膵臓を提供してくれる方)
 生体膵島移植は健常なドナー(両親や子供などの近親者)から膵臓を半分頂き、膵島を分離し移植します。
 心停止ドナー膵島移植は、死亡時臓器提供の意思を示したドナーから膵臓を頂き、膵島を分離し移植します。心停止ドナー膵島移植はまず移植希望登録をし待機し、移植の順番が回ってくるのを待ちます。

今後の課題
 ・ドナー不足
 ・免疫抑制剤の副作用
 ドナー不足は、ブタの膵臓を使った移植、ES細胞などを使った再生医療などで膵島細胞を移植できないか現在、研究・開発が試みられています。
 免疫抑制剤は、新しい副作用の少ない薬剤の開発やドナーの骨髄を移植することで免疫抑制剤を使用せずに移植できないかなど様々な研究がされています。


今後、もっと研究が進めば1型糖尿病だけでなく2型糖尿病も膵島移植で簡単に副作用が少なく治療ができる日も近いかもしれません。

膵島移植についてもっと詳しく知りたい方
 膵島移植(京都大学移植外科)

1型糖尿病研究基金へのご寄付
(1型糖尿病の発症原因の解明や治療法の確立等の研究費に用いられます。)
 特定非営利活動法人 日本IDDMネットワーク
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
実現するといいですね
左手さん、お久しぶりです。
京大の膵島移植の話題は、ずっと以前に新聞で見かけて以来興味深々です。
SPIDDMである私にとって合併症出現の恐怖は死の恐怖に匹敵するもので、まして透析医療に近い位置にいてその実情を知っている者としては、その思いは切羽詰ったものがあります。

私のように成人で発症した患者はまだ良いとしても、幼い子供がこの病気にかかると本当に気の毒です。
そういう子供が、この移植で救われるようになれば・・・と心から願っています。
2005/11/26(土) 09:28:34 | URL | ママさん #JaFhmbU6[ 編集]
ママさん、お久しぶりです。
ママさんのブログは、好奇心と求知心をくすぐられる内容でいつも楽しみに拝見させていただいております。
いつもROM中心で申し訳ないですが、いつかきっと必ず...コメントを残しROMを卒業するので、そのときは宜しくお願いしますm(_ _)m。


移植医療は、他者の犠牲の上に成り立っている医療行為であるので、いろいろと問題がありますが、ママさんが言われるように、幼い子供さんが、1型糖尿病や慢性腎不全などになり、それによって同年代の子供と違った生活を送らなければならないというのは、大変不幸であるし、それを見守らなければならない家族自身もつらいと思います。
そういった方を救うためにも、移植医療という分野がこれから進展し、確立されればと思います。
2005/11/27(日) 00:28:03 | URL | 左手 #l.rsoaag[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://hidarite.blog11.fc2.com/tb.php/102-98a2ecd6
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。